就職する際に気になるのが、企業の離職率でしょう。
たしかに、離職率が低い企業は働きやすい環境が整っているケースが多いです。
就職先の労働環境に悩むリスクを減らすには、離職率に関する情報収集が重要です。
そこで、本記事では、離職率の高い業界と低い業界の特徴や見極め方などについて詳しく解説します。
就職前は離職率を把握しておこう
就職する際は、あらかじめ離職率を把握しておくことが大切です。
というのも、離職率が高いということは、何らかの働きにくい原因がある可能性が高いのです。
たとえば、以下のような原因が考えられます。
- 業務内容が過酷
- 人間関係が悪い
- 福利厚生が整っていない
- ライフスタイルの変化に対応できない
就職活動には多大な労力が必要になるので、失敗は避けたいでしょう。
一概に離職率だけで企業の善し悪しを判断することはできないですが、指標の一つになります。
働きやすい職場に就職するためにも、あらかじめ離職率の情報をキャッチしておきましょう。
離職率が高い業界
離職率は企業によって異なりますが、離職率が高くなりやすい業界が存在するのも事実です。
業界ならではの業務内容や性質が、離職率の高さの背景にあるのです。
業界の特色を把握し、離職率と関連づけることで、自分に合う就職先を見つけられるでしょう。
離職率が高い業界についてご紹介しますので、参考にしてみてください。
ホテルなどの宿泊業
ホテルなどの宿泊業は離職率が高い傾向にあります。
というのも、宿泊業は体力の負担が大きいにも関わらず、給与が低いケースが多いのです。
「高いレベルのサービスを提供したい」などのモチベーションを持って入職した場合、理想と現実のギャップに不満を感じる方もいます。
特に人手不足の企業は激務になりがちです。
ホテルなどの宿泊業への就職を検討する際は、労働環境の確認が必要です。
飲食業
飲食業は離職率の高い業界の一つです。
飲食業といえば、ファーストフード、ファミリーレストラン、居酒屋などが挙げられます。
立ち仕事など体力の負担になる業務が多く、長期間続けるのがきついと感じる方が多いです。
また、人手不足の職場もあるので、無理なシフトになりがちです。
給与はもちろんですが、労働環境をあらかじめ確認しておきましょう。
娯楽業界
娯楽業界は楽しそうな印象がありますが、離職率は高めです。
というのも、娯楽業界は「人手不足」「給与が安い」などと過酷な労働環境となっているケースがあるのです。
特に繁忙期の激務に耐えられないと感じる方が多くいます。
娯楽業界は人を楽しませられるやりがいのある仕事ですが、負担が大きくなる可能性があることも把握しておきましょう。
教育業界
教育業界は離職率が比較的高い傾向にあります。
教育業界としては、学校の教員、塾講師、通信教育、英会話教室などが挙げられます。
教育業界は残業時間が多くなる傾向あり、長期間勤務できない方も多いのです。
学校の教員は比較的規則的ではありますが、授業の準備や部活、保護者対応など、時間外の業務も多いです。
教育業界は様々なストレスがあり、離職率が高くなりやすいことを把握しておきましょう。
医療・介護業界
医療・介護業界は離職率の高い業界です。
医療・介護業界はやりがいのある仕事ですが、体力的な負担が大きくなりやすく、責任も重いのです。
「ライフスタイルが変化して続けられなくなる」「介護の仕事をしているけれど給与が低い」など、様々な理由で離職するケースがあります。
医療・介護業界は希望通りの給与をもらえなかったり、仕事と家庭の両立が難しくなりやすいことを把握しておきましょう。
離職率が低い業界
離職率が低い業界にも特徴があります。
離職率が低い理由に関しても、業界によって異なるので、相性を確認しておく必要があるでしょう。
それでは離職率が低い業界についてご紹介します。
インフラ業界
インフラ業界は離職率が低い傾向にあります。
インフラ業界は、電気、ガス、水道などのライフラインに関する業種です。
インフラ業界は人々の生活に必須なので、業績が安定しています。
失業のリスクがほとんどないのも安心のポイントです。
「待遇が良くて働きやすい」「ノルマなどのストレスがない」などと、長期間働きたいと感じる方が多いです。
競争率が低いというインフラ業界ならではの特徴により、働きやすい環境が実現しているでしょう。
鉱物資源を扱う業種
鉱物資源を扱う業種は離職率が低い傾向にあります。
メジャーな仕事ではないので馴染みのない方も多いですが、比較的業績が安定しているのです。
「鉱業に特化している」「ガソリンをメインに取り扱っている」など、企業により特化している業務が明確になっているので、競争率が低い傾向にあります。
ノルマなどのストレスはほとんどありません。
また、基本的に人を相手とするサービス業ではないので、人間関係のストレスを感じにくいです。
鉱物資源を扱う業種は労働環境に恵まれており、離職率が低めとなっています。
製造業
製造業は離職率が低く人気の業種です。
製造業は比較的給与が高めなので、長期間働く方が多いのです。
特に自動車業界は企業規模が大きく、給与のみならず福利厚生などの待遇も充実している傾向にあります。
シフト制の企業も多いので、残業などが発生しにくく、仕事とプライベートを両立しやすい環境です。
また、日本の製造業は世界的に評価されており、やりがいのある仕事が多いのも満足のポイントです。
製造業は比較的働きやすい環境というのが人気のポイントです。
建設業
建築業は離職率が低い業種の1つです。
特に大手の建築業界は給与水準が高めであり、福利厚生などの待遇も充実している傾向にあります。
ただし、一部の中小企業では労働環境が整っていないケースもあるので、あらかじめ確認が必要です。
建築業は企業によって差はあるものの、比較的離職率が低いのが特徴です。
複合サービス業
複合サービス業は離職率の低い業種です。
複合サービス業としては、郵便局、共済、農業協同組合などが挙げられます。
事業の範囲がある程度法律で規定されている業種であり、残業が発生しにくいのが働きやすさのポイントです。
仕事とプライベートを両立しやすく、満足につながりやすいでしょう。
離職率の低い業界の特徴
離職率の低い業界は、働きやすいので人気があります。
離職率の低い業界の特徴をご紹介しますので、見極める際の参考にしてみてください。
給与が高い
給与が高いのは、離職率が低い業種の特徴の1つです。
給与が高いと満足につながるので、離職する従業員が少なくなるのです。
「給与が上がってモチベーションが高まった」「高い給与をもらえるならずっと働きたい」などと満足に感じる方が多いでしょう。
一方、企業に貢献したにも関わらず給与が低いと、辞めたいと思うのは当然です。
離職率と給与水準は密接に関連すると言えるでしょう。
福利厚生が充実している
長期間無理なく勤務継続するには、福利厚生が重要です。
たとえ給与が高くても、福利厚生が整っていないとストレスに感じるのです。
「有休休暇をほとんど取得できない」「通勤手当がもらえず負担になっている」などと、福利厚生関連で不満に感じるケースがあります。
また、産休・育休などの取得がしやすいと、ライフスタイルが変わっても続けやすいです。
離職率の低い業種を見極めるには、給与のみならず福利厚生にも着目しましょう。
景気の影響を受けにくい
景気の影響を受けにくい業種は、離職率が低い傾向にあります。
というのも、業績が悪いと給与が低くなったり、失業のリスクがあるでしょう。
また、競争率が激しいとノルマなどのストレスが発生し、続けられなくなるケースがあるのです。
一方、業績が安定していると安心感がありますし、働きやすい労働環境を整えやすくなります。
景気に左右されずに安定した収入を得られる業種は離職率が低いでしょう。
離職率の低い就職先の探し方
働きやすい環境で長期間勤務するには、離職率の低い就職先を見つけることが大切です。
とはいえ、離職率の低い就職先を見つけられずに悩んでいる方もいるでしょう。
そこで、離職率の低い就職先の探し方について解説します。
就職四季報を活用する
就職四季報を活用することで、離職率を調べられます。
就職四季報は、企業の情報がまとめられており、離職率に関する情報の記載もあります。
就職を検討している企業の離職率をチェックすることで、企業選びの参考になるでしょう。
就活エージェントを活用する
就職活動を行う際は、就活活動をする際に有用な情報を提供してくれる就活エージェントを活用するのがおすすめです。
離職率など、個人で情報収集するのが難しい内容も教えてもらえるので就活活動をする際の強い味方になります。
また、希望条件を伝えることで、自分に合う就職先を紹介してもらえるのも魅力です。
インターネットの評判・口コミを確認する
企業の離職率は、インターネットの評判・口コミ情報から確認できるケースがあります。
職場見学や会社説明会では、企業のマイナス情報は得られにくいですが、インターネットには生の声が投稿されていることが多いです。
インターネットの評判・口コミから、離職率を推察するのも手段です。
求人広告を頻繁に出している企業に注意する
求人広告を頻繁に出している企業は、離職率が高い可能性があるので注意が必要です。
頻繁に求人広告を出している企業は、人の入れ替わりが激しいケースが多いのです。
また、慢性的な人手不足となっているので、過酷な労働環境になりがちでしょう。
「就職する人が見つからない」「雇っても続かない人が多い」など状況は様々です。
適宜求人広告をチェックし、頻度や期間から労働環境を推察するのも手段です。
職場見学で雰囲気を確認する
職場の人間関係は離職率に直結するので、あらかじめ確認が必要です。
というのも、職場を辞める理由として、人間関係のストレスは多いのです。
人間関係や雰囲気は職場見学で現場の人と話したり、雰囲気を確認することで把握できます。
「現場の人がフレンドリーに話してくれて安心した」「お互い挨拶していて雰囲気が良かった」など、実際に見学して把握できることもあります。
人間関係が良ければ、多少労働環境に不満があっても続けたいと思う方が多いです。
離職率の低い働きやすい職場を見つけるには、現場の雰囲気も確認しておきましょう。
企業規模にこだわりすぎない
離職率と企業規模は必ずしも関連しているとは限りません。
大企業は離職率が低いと考える方も多いですが、大企業であっても離職率が高いケースもあるのです。
また、離職率は部署によっても異なります。
企業全体の離職率が低くても、部署によっては離職率が高いケースもあるので、入念なリサーチが必要です。
なお、中小企業であっても、労働環境が良く離職率が低い例もあります。
離職率が低い企業を選びたいのであれば、企業規模ではなく、それぞれの特徴を把握しましょう。
まとめ
就職先を探す際は、長期間無理なく勤務できる環境であるか確認する必要があります。
給与や業務内容はもちろんですが、離職率の情報も収集しておくことで、労働環境の良い就職先を見つけやすいでしょう。
離職率の低い職場へ就職し、長期間継続勤務できれば、キャリアアップの可能性も高まります。
なお、離職率は企業によっても異なりますが、業界ならではの特徴も関与するので、離職率の高い業界と低い業界の違いを把握しておくことが大切です。
一概に離職率のみで企業を判断することはできないですが、就職先を選ぶ際の一つの指標にすると良いでしょう。
