転職先を決める際は、大手企業・中小企業・ベンチャー企業の特徴を把握し、自分に合う職場を選ぶことが大切です。
本記事では、大手企業・中小企業・ベンチャー企業、それぞれの違いからメリット・デメリット、働き方などを解説しますので、参考にしてみてください。
大手企業とは
大企業は、明確に定義されているわけではないですが、企業の規模が大きいことを意味します。
大企業の中でもより知名度の高い企業は、「大手企業」と言われることもあります。
一概には言えないですが、大手企業は以下のような特徴となっているケースが多いです。
- 社内での教育体制が整っている
- 年収が高めの傾向にある
- 福利厚生が充実している
- 規模が大きすぎると要望が反映されにくいケースがある
- 転勤・異動がある企業もある
中小企業とは
中小企業は、明確に定義されているのが特徴です。
定義は業種によっても異なり、たとえば、サービス業における中小企業の定義は、「資本金の額もしくは出資の総額が5千万円以下」または、「従業員の数が100人以下」となっています。
中小企業には、以下のような特徴があります。
- 幅広い業務に携わるケースが多い
- 経営者との距離が近くなりやすい
- 転勤・異動範囲が限定的となっているケースが多い
- 大企業と比較し福利厚生が不十分なケースもある
- 大企業よりも年収が低めになりやすい
- 研修制度が不十分なケースがある
ベンチャー企業とは
ベンチャー企業は、明確に定義されているわけではありません。
比較的歴史の浅く、新たなビジネスを展開するなど、成長している企業を意味するケースが多いです。
ベンチャー企業には、以下のような特徴があります。
- 新たなことにチャレンジできるのでやりがいがある
- 幅広い業務に携われるケースが多い
- 比較的経営者との距離が近く意見が通りやすい
- 企業が成長する過程を実感できる
- 歴史が浅い分実績は少ない
- 軌道に乗るまで給与が低めとなるケースがある
- 大企業と比較し人数が少なめ
大手企業のメリット・デメリット
大手企業のメリット・デメリット について解説します。
大手企業は、資金力が高く安定性があり、教育体制や福利厚生も充実している傾向にあります。
大手企業の特徴をチェックしてみてください。
専門性を高めやすい
大手企業では、専門性を高めやすい傾向にあります。
というのも、大手企業は業務の細分化など効率化を重視するケースが多く、特定の分野を高めるシフトになりやすいのです。
また、大手企業は教育体制が整っており、スキルを磨きやすくなっています。
ただし、企業によって特徴は異なるので、あらかじめ確認が必要です。
キャリアプランを立てやすい
大手企業では、上司のキャリアを参考に、キャリアプランを立てやすいのが特徴です。
キャリアパスを明確に定めている企業もあり、年単位でイメージすることも可能です。
「プロジェクトリーダーとして活躍したい」といった希望があるなど、目標のキャリアプランが明確になっている方にとっては、働きやすいでしょう。
コミュニケーションを取りにくいケースがある
大手企業は人数が多く、複数の部署に分かれているケースがあるので、コミュニケーションを取りにくいと感じることがあります。
また、部署によっても雰囲気が違い、入社後の配属部署によっては、イメージと異なるケースがあるので注意が必要です。
全体を把握しにくい
大手企業は規模が大きいので、全体を把握しにくいと感じるケースがあります。
中小企業は、幅広い業務を行うケースが多いですが、大手企業は業務を分担して効率を求める傾向にあります。
そのため、状況によっては全体を把握しにくく、やりがいを見いだせなくなる可能性もあるでしょう。
中小企業へ就職するメリット・デメリット
中小企業は、大手企業とは異なり規模が小さめなので、全体の動きが見えて働きやすいと感じるケースが多いです。
中小企業へ就職するメリット・デメリットをご紹介しますので、参考にしてみてください。
仕事の流れを把握しやすい
中小企業は、比較的仕事の流れを把握しやすいというメリットがあります。
大企業よりも規模が小さい分、全体を把握しやすいのです。
仕事やプロジェクトを進める中で、「コミュニケーションを取りやすい」「全体をまとめやすい」と感じる場面は多々あります。
団結して効率的に業務を行えるのは、中小企業の魅力といえるでしょう。
社員同士が交流しやすい
中小企業では、社員同士が交流しやすいというメリットがあります。
というのも、中小企業は大企業よりも社員が少ないので、お互い顔を合わせる場面が多いのです。
「部署を異動しても交流がある」「毎日顔を合わせて挨拶できる」など、より親密な関係になります。
仕事を進める中で、社員同士の交流は非常に重要でしょう。
給与が少なめ
中小企業は、大手企業と比較し、給与が少なめとなっている傾向にあります。
また、賞与の支給額も差があるケースがあるので、あらかじめ確認が必要です。
なお、昇給や評価制度によっても給与に差が生じるケースがあります。
一人当たりの負担が大きくなる可能性がある
中小企業は、人手不足となっているケースがあります。
人手不足の企業では、一人当たりの負担が大きくなるので注意が必要です。
「有給休暇を取得しにくい」「急な休みに対応できない」などといった悩みが生じる可能性もあります。
社会的信用が低いケースがある
中小企業は大企業よりも、社会的信用が低いケースもあります。
将来転職する際、大手企業に就職している人よりも不利になる可能性もゼロではありません。
とはいえ、知名度の高い中小企業も多数あります。
社会的信用を重視する場合は、あらかじめ情報収集が必要です。
ベンチャー企業のメリット・デメリット
ベンチャー企業は成長段階ということもあり、幅広い業務に携われるケースが多いです。
ベンチャー企業のメリット・デメリットについて解説します。
スキルアップできる環境が整っているケースが多い
ベンチャー企業は、スキルアップできる環境が整っているケースが多いです。
というのも、ベンチャー企業は新たなビジネスモデルを展開するなど、成長途上にある企業です。
事業展開のスピードに対して人手が足りていないケースも多く、多くの仕事を任せられます。
また、幅広い業務に携わるので、スキルアップにつながります。
成長できる環境で働きたい場合は、ベンチャー企業がおすすめです。
経営者との距離が近い
ベンチャー企業は、経営者との距離が近いのがメリットです。
経営者との距離が近いと、経営関連の視点を持つことができ、将来役立つ可能性があるでしょう。
また、経営者と接する機会が多いと、自分の意見も反映されやすいのでやりがいにつながります。
将来経営に携わりたい方や、会社を変えたいという思いがある方は、ベンチャー企業がぴったりです。
事業が不安定になるリスクがある
ベンチャー企業は成長途上なので、事業が不安定になるリスクがあります。
うまくいけば大きな成長を遂げますが、赤字となり経営が成り立たなくなる可能性もあります。
安定性を重視する方にとっては、不安要素となるでしょう。
給与が低めになる可能性がある
ベンチャー企業は、給与が低めになる可能性があります。
というのも、ベンチャー企業は成長途上なので、給与を高く設定することが難しいのです。
また、業務量が多いので、給与と業務内容が見合わないと感じるケースもあります。
給与重視の方にとっては、不満に感じる可能性があるでしょう。
適性を見極め就職先を決めよう
就職先を選ぶ際は、適性を見極めることが大切です。
大手企業、中小企業、ベンチャー企業それぞれに向いている人の特徴を解説します。
大手企業が向いている人の特徴
- 効率的に業務を進めたい
- 福利厚生を重視したい
大手企業は業務を細分化する傾向にあるので、効率的に業務を進めたい方や任せられた仕事をやり遂げるのが得意な方におすすめです。
また、大手企業は中小企業と比較し、福利厚生が充実している傾向にあります。
とくに、有給休暇に関しては、従業員数の多い大手企業の方が取得しやすいケースが多いです。
大手企業を選ぶ際の注意点
大手企業は担当業務の範囲が狭くなりがちなので、幅広い経験を積みたい方にとって不満に感じる可能性があります。
また、異動や転勤についてもあらかじめ確認することをおすすめします。
中小企業が向いているの人の特徴
- 幅広い業務を行いたい
- 遠方への転勤を避けたい
中小企業は、細分化された業務のみならず、幅広い業務を行うケースが多いです。
また、プロジェクト全体に携わるなど一部だけではなく全体を把握でき、やりがいを感じられるでしょう。
なお、中小企業は大手企業よりも遠方への転勤が少なめです。
働き方を重視し、中小企業を選ぶのも手段です。
中小企業を選ぶ際の注意点
中小企業は大手企業と比較し規模が小さいので、年収、教育制度、福利厚生が不十分なケースがあります。
あらかじめ重視するポイントを明確にし、確認しておくことをおすすめします。
ベンチャー企業が向いている人の特徴
- 企業の成長を実感したい
- 自分の意見を反映させたい
ベンチャー企業は、企業の成長を実感したい人におすすめです。
というのも、ベンチャー企業は成長途上なので、自分の努力が成果につながりやすいです。
業務の幅も広く日々刺激的なので、モチベーションも保ちやすいでしょう。
また、事業を拡大する上でアイデアを求められるケースも多く、経営者との距離も近いので、自分の意見を反映させたい方にもぴったりです。
ベンチャー企業を選ぶ際の注意点
ベンチャー企業は成長過程なので不安定要素があり、将来性や給与を重視する方には向いていません。
あらかじめ、携わる業務や将来の見込みなどを情報収集しておくことをおすすめします。
まとめ
大手企業、中小企業、ベンチャー企業にはそれぞれ特徴があります。
就職先を選ぶ際は、あらかじめ特徴を把握し、相性を確認することが大切です。
また、「幅広い業務に携わりたい」「給与や安定性を重視したい」など、目的によっても適した就職先は異なります。
なお、企業の種類によりおおまかな傾向はあるものの、企業によって業務形態や労働条件などは違うので、確認しましょう。
入念な情報収集をすることが、就職・転職の成功につながります。
大手企業、中小企業、ベンチャー企業の特徴を把握し、理想のキャリアを実現しましょう。