仕事をする際は、キャリアアップを念頭に置いて働く人もいるでしょう。
キャリアアップすることができれば自分の地位はもちろん、収入や待遇なども変化するため、昇進して立場を上げていきたい気持ちがあるなら、目指すべきです。
ただ、キャリアアップは自分が行っている仕事が関係していることもあり、簡単ではありません。
もし、バックオフィスの仕事をしているなら「キャリアアップはできるの?」と疑問を感じることもあるでしょう。必要なスキルと資格について紹介しましょう。
バックオフィスとは?
バックオフィスという仕事は経理や総務、人事、専務、法務など直接顧客と対応しない部門のことを言います。
企業で仕事をする際は顧客に対応する営業や販売マーケティング、カスタマーサポートなどのフロントオフィスとバックオフィスに分かれており、それぞれ役割が違います。
バックオフィスの場合は会社の利益に直結する部門ではありませんが、フロントオフィス業務の方をサポートする役目があるので会社に不可欠な部門です。
どの企業でもバックオフィス業務は設置されており、そこで会社に貢献することができればキャリアアップや昇給なども期待することができます。
バックオフィスのそれぞれの仕事内容とキャリアアップの方法とは?
バックオフィスにはいろいろな部門がありますが、それぞれ仕事内容が違います。
どのような仕事内容となっているのか確認することで、キャリアアップに必要なスキルなども分かってくるでしょう。
以下の部門業務の内容とそれぞれのキャリアアップの方法について紹介します。
経理
経理業務は会社のお金の流れを管理するのが主な業務です。
経理では会社が支払うべき税金の計算や社員の給与や社会保険の管理と計算、また部門ごとの売上管理や会計帳簿などを作成しなくてはいけません。
経理が資料の作成に不備が生じたり、上手く管理できなておらずお金の計算が合わないなどの事態にな乙たりするなら、会社は売上や貯蓄などが分からなくなるため大事な部門だと言えます。
そして、キャリアアップするためには以下の点を確認しておくことが大事です。
簿記や経理事務パスポート検定などを取得してスキルアップを行う
経理の場合は会社の資金管理や計算を行う作業が多いので、必要な資格を取得することでスキルアップすることが可能です。
経理職の場合は簿記を持っていることで、帳簿の付け方などについて知識があると証明できます。
さらに、経理事務パスポート検定やUSCPAなどの国際的な資格を持っているなら、よりスキルが高いことを証明できるため、キャリアアップにつなげられる期待も高まります。
会計士や税理士も目指してみる
会計士や税理士の資格を取得しているなら、経理職からモデルチェンジすることも可能です。
会計士や税理士は専門職なので、会社の専属となることができれば待遇や給与も大きく変わってくることでしょう。
さらに、会計士や税理士として事務所を開業し、キャリアチェンジを考えることもできるでしょう。
総務
総務は会社の業務がスムーズに進むよう雑多な仕事を担う部門のことです。
会社によってどこまでの範囲が総務になるのか違いがありますが、主な仕事内容としては文房具やコピー用紙、社員の名刺、会社の封筒などの備品管理、またコピー機や空調などの機器と設備の保守管理です。
また、組織の規定や人事規定など社内での決まり事の作成や変更、修正作業も総務が行います。
会社のイベント企画や備品管理など、いろいろな業務を行う役割があります。キャリアアップとしては以下の点を押さえておきましょう。
管理職を目指して経験を積む
総務の場合は管理職を目指して経験を積むことができます。
管理職として課長や部長になれば、経営幹部として会社の方針に関与することができるようになります。
もちろん、管理職になるには総務として仕事内容を覚えると共に人間関係なども良好である必要があるため、コミュニケーション能力なども重視すべきです。
まずは課長になることを目指して経験を積むように計画してみましょう。
専門的な知識を身に付けて転職を考えてみる
総務の作業範囲は雑務から事務全般と幅広いため、いろいろな業務経験を積むことが可能です。
もし、作業している中で自分が得意するものが見つかったなら、その仕事へ転職することでキャリアアップを狙うことが可能です。
例えば、会社のイベントなどの企画づくりが好きで社員からも好評なら、企画力を活かせる別の職種への転職を考えることもできます。
スケジュール管理が得意であることが分かれば秘書検定などの資格を取得して、秘書として仕事を考えることもできるでしょう。
総務の作業をきっかけにして自分のやりたいことや好きな仕事を見つけられる可能性もあります。
【専務】
専務の仕事は主にオフィスソフトを用いて資料作成や書類のファイリング、電話や来客の対応、データ入力やコピーなどを担当します。
専務職も行う作業範囲は会社によって違いがあり、例えば、IT企業の場合だと同じ資料作成でも専門知識が必要であり、外資系だと語学力が必要になることもあります。
会社ごとに要求されるスキルが高度な場合もあるため覚えておきましょう。
専務としてキャリアアップするためのポイントは以下の通りです。
高度なスキルを身に付けるようにする
専務の場合はオフィスソフトを用いて書類の作成などを行いますが、そこに何かスキルが加わるとより自分の価値を高めることが可能です。
例えば、上記でも紹介したように英語などを習得することができれば、外資系企業でも書類作成など専務の仕事を行うことが可能です。
外資系は年収設定も高いため、同じ専務職でも給与が上がることに期待できます。
TOEICなど語学力があることを証明できる資格を取得することで、自分のキャリアアップにつなげられる可能性もあるため、転職を視野に入れるなら考えてみることができるでしょう。
経営幹部を目指して経験を積む
専務の場合も経営幹部を目指してみることができます。
専務はデータの資料作成や電話対応など、幅広い業務に携わりますが、各業務で経験を積み実績を上げることができれば昇進できる可能性も高くなります。
資料作成においても迅速に行えることや、あらゆる業務内容を覚えて適切に動くことができるようなら、上司の方にも高く評価してもらうことができます。もし、専務としての実績を上げることができたなら、他の会社への転職も考えて行動してみることができるでしょう。
【人事】
会社の人材に関して、あらゆる仕事を担当するのが人事です。
仕事内容としては新卒や中途採用に関する求人募集や面接の日程調整などの活動、また社員の評価制度の作成や新人研修や管理職研修の企画や運営、さらに人事移動に関しても決定を行います。
福利厚生や入社や退社などの手続きも人事の業務内容となっているため、社員に関する業務ならほぼ全てのことを行うと認識しましょう。
人事でキャリアアップを目指すなら以下のポイントを把握しておくことができます。
制度の策定や育成人事に関わるようにする
人事の仕事には新人や中途採用の採用活動や労務関係だけでなく、人事の評価や採用に関する人材の分析なども行います。
人事の評価や分析能力というのは多くの企業でも必要とされている能力であり、何か成果を残すことができれば、自分の大きなアピールポイントとすることができます。
人事評価制度を見直した結果、多くの従業員の業績を向上させられたこと、また満足度評価を大きくアップさせることができたなどの成果をあげられたなら、人事としての能力は認められることになるでしょう。
また、人材育成においても優秀な人材の確保や育成ができて業績アップに貢献できたなら、条件の良い会社に転職できる可能性も上がり、キャリアアップにつなげることが期待できます。
労務のスペシャリストを目指す
人事業務の中でもメインの仕事と言えるのが労務業務です。
労務業務で経験やスキルを積むことができるならキャリアアップとして課長などの役職への昇進また給与アップにつなげることができるので、目指してみることができます。
労務のスペシャリストになるためには社会保健労務士の資格を取得することでスキルをより証明することが可能です。簡単な資格ではありませんが、人事部に所属しているならキャリア形成として考えてみましょう。
【法務】
法務は企業の活動の際に法律に関する業務を担当します。
仕事内容としては企業との売買契約や業務委託契約、秘密保持契約といった取引先との契約に関して契約事項に確認をすることです。
契約内容がしっかり確認できなければ、不利益を被って大損害となることもあるので責任が大きいです。
他にも株式総会や取締役会、子会社建設など会社の内部において合法的であるかどうか確認して運営していくことも1つの業務です。
法律に関する専門知識が無いと行えない業務なので、高いスキルが必要と言えるでしょう。キャリアアップを目指しているなら以下のポイントを押さえておきましょう。
弁護士資格の取得を目指す
法務は法律関係の仕事が多いため、しっかりと知識を身に付けておくことが重要です。
法律を熟知していることを証明するためには弁護士の資格を取得することが1番良い方法です。
ただ、弁護士は大学を卒業していること、また難易度自体が高い専門資格なので取得するのはかなり難しいことも予想されます。
取得には時間がかかるはずですが、もし取弁護士資格があれば会社としても信頼して業務を任せてもらえますし、転職の幅も広げることができます。
経験を積めば自分で事務所を開いて開業することも可能なため、選択肢を増やしてキャリアアップができるでしょう。
外国語の取得も考えてみる
法務としてキャリアアップを目指すなら、外国語も考えることができます。
今は企業でも海外進出しているところも多いため、現地で会社設立や店舗を構えることもよくあります。
海外と日本では法律に違いがありますが、法律を熟知していることは大きなプラス材料です。
そこで外国語を話すことができるようなら、企業としてはより貴重な人材と見られるため、大きくキャリアアップできる可能性があります。
特に法律関係の用語を理解しているなら、より自分の価値を高めることができるでしょう。
バックオフィス業務でキャリアアップのために共通しているスキル
バックオフィス業務は仕事内容が違うため、キャリアアップの際にはポイントもそれぞれ変わってきますが、共通しているスキルもあります。
どのようなスキルを持っておくとキキャリアアップしやすくなるのか紹介しましょう。
社内の人と良い関係を築きようにする
バックオフィス業務は基本的に連携して業務をすることになるため、良い関係を築いておくことが大事です。
良い関係を築いているなら、仕事もスムーズに行いやすくなり、同僚や上司からアドバイスなども得やすく、仕事に関しても気にかけてもらえるため、自分の仕事効率やスキルも向上しやすくなります。
普段からコミュニケーションを取るように心がけてください。
普段から考えるスキルを身につける
バックオフィス業務はいろいろな業務を行うため、普段から「どのように効率的に作業できるか?」という点を考えておくことも大事です。
作業の効率性を考えて動くなら、少ない労力で作業できるのでストレスも少なく、体力も維持しやすいです。
また効率よく作業できるように考えるなら、周りの同僚や上司からも高評価を得やすくなるため、昇進などにも関係してくるでしょう。
普段からいろいろなことを考えることでキャリアアップに繋げることができます。
バックオフィスでのキャリアアップを考えよう
バックオフィスにもいろいろな業務がありますが、それぞれスキルや資格の取得、経験による実績を上げることでキャリアアップを狙うことができます。
バックオフィスによる仕事をしている人や考えている人は、自分に必要なものを確認して行動するようにしましょう。