就職活動をする際、総合職・一般職・エリア総合職の違いが分からず戸惑う方は多いです。
総合職・一般職・エリア総合職は、企業によって区別が曖昧ですが、年収や仕事内容の一般的な違いを把握しておくことが大切です。
また、決め方のポイントを把握しておくと、迷わずに就職活動を進められるでしょう。
総合職・一般職・エリア総合職の違いについて詳しく解説しますので、参考にしてみてください。
「総合職」「一般職」「エリア総合職」の違いは明確ではない
「総合職」「一般職」「エリア総合職」の違いは明確ではありません。
というのも、それぞれ、法律上明確に定められていないのです。
違いは企業が任意で定めているので、企業によって捉え方が異なるのが現状です。
実際に、業務内容に差がないと感じる人も多いようです。
とはいえ、一般的に、総合職は「一定の分野ではなく幅広い視点で業務を遂行することを求める」、一般職は「特定の業務を担当して総合職をサポートする」という認識で捉えられます。
それぞれの一般的な違いについて、詳しく見ていきましょう。
総合職と一般職はどう違う?
明確な区別はないものの、総合職と一般職は、仕事内容、給与、転勤の有無など様々な点が異なります。
総合職と一般職それぞれの特徴をご紹介しますので、ぜひ、参考にしてみてください。
総合職の特徴
総合職は将来管理職として、会社の中心的な存在となることを期待されるので、幅広い業務を習得できるローテーションとなるケースが多いです。
また、異動・転勤が発生し、様々な業務を経験するのが一般的です。
総合職の特徴を以下に示しています。
業務の幅が広い
総合職と一般職では、業務の幅が異なります。
総合職は幅広い業務を行います。
事務系、技術系など大枠が決まっている場合でも、総合職は営業、経理、研究などあらゆる部署へ異動するケースが多いです。
幅広い部署の業務を経験することで、企業の全体を見れるようになるので、管理職としての活躍にもつながるでしょう。
一定の部署に詳しくなるのではなく、全体の業務把握を求められるのが総合職です。
ローテンションが発生する
総合職は、期間や頻度は異なるものの、ローテーションする仕組みとなっているのが一般的です。
ローテーションの際、転勤や異動のある職場もあります。
転勤や異動は、周辺の関連会社のケースもあれば、県外・海外への転勤を伴うこともあります。
転勤は生活に直結するので、ローテーションの仕組みについて確認しておくことが大切です。
一般職の特徴
一般職は総合職のサポート業務が多いです。
異動・転勤がないので、プライベートへの影響が少なく、働きやすいと感じる方が多いです。
一般職の特徴を以下に示しています。
総合職のサポートをする役割
一般職には、総合職のサポートをする役割があります。
たとえば、「電話対応を行う」「書類を作成する」など、総合職の仕事が円滑に進むよう支えるのです。
総合職と比較し、大きな責任・決断を担うことは少ないものの、大事な仕事です。
異動・転勤はほとんどない
一般職では、異動・転勤はほとんどありません。
部署内で小さなローテーションが発生することはありますが、大幅な業務内容の変更はほとんど伴いません。
「異動したけれど、業務の流れはほどんど変わらない」など、比較的仕事に慣れやすいです。
また、転勤は基本的に発生せず、たとえあったとしても限られた地域の範囲内でしょう。
なお、引っ越しを伴う転勤はほとんどありません。
転勤を避けたい方にとって、一般職は安心感があるでしょう。
エリア総合職とは
総合職と一般職の違いについて解説しましたが、多くの方が迷う働き方として「エリア総合職」があります。
エリア総合職は、総合職と一般職の以下の特徴を併せ持っています。
- 幅広い業務を行う
- 異動・転勤の範囲は限定されている
エリア総合職は、業務内容は多岐にわたるものの、働く場所は限定的です。
幅広い業務を習得したいけれど、引っ越しを伴う転勤は避けたいという方には、エリア総合職がおすすめです。
それでは、エリア総合職の特徴を見ていきましょう。
転勤先が限られている
エリア総合職は、転勤先が限られているという特徴があります。
東京都内、関東地方限定など、あらかじめ範囲を決められているのです。
ただし、企業によって転勤範囲は異なるので、確認が必要です。
たとえば、関東地方内なら転勤できる方は、「関東地方内に設定されてある職場を選ぶ」などが可能です。
転勤先が限られていると、生活圏が確立されるので、負担が小さいでしょう。
複数の呼び名がある
エリア総合職には、複数の呼び名があるので、企業に該当する働き方があるか確認が必要です。
たとえば、準総合職、特定総合職などの呼び名もあります。
エリア総合職としてのみ認識していると、別用語の求人を認識できない可能性があります。
エリア総合職を志望する場合は、呼び名に注意しましょう。
責任ある仕事を求められる
エリア総合職は、勤務エリアが限定されているものの、総合職と同様の業務を求められます。
ローテーションで幅広い業務内容を学ぶのが一般的です。
「責任ある仕事を任せられる」「決断力を求められる」など負担を感じる可能性がある一方で、やりがいもあります。
エリア総合職は、総合職と近い認識でとらえておきましょう。
エリア総合職の多い業界を見てみよう
エリア総合職は、どの企業でも採用しているわけではありません。
一般的に、複数の支店を持っている企業が取り入れている傾向にあります。
たとえば、銀行や保険会社などは、エリア総合職を設けているケースが多いです。
銀行
都市銀行、地方銀行によっても異なりますが、一般的に、銀行には複数の支店が設けられています。
支社内に勤務地をしぼり、エリア総合職を募集するケースがあります。
保険会社
保険会社は、異動範囲によって、エリア総合職が設けられているケースがあります。
エリア総合職にも広さにより段階があることが多いので、希望に合わせて働きやすいのが魅力です。
エリア総合職と総合職はどう違う?
エリア総合職は、勤務地の範囲以外にも異なるポイントがあります。
エリア総合職を検討している方は、あらかじめ把握しておきましょう。
給与設定
エリア総合職は総合職と比較し、給与設定が低めの傾向です。
エリア総合職は転勤のリスクがない分、報酬も少ないのです。
業務内容が同じでも、エリア総合職は給与が低いと感じる可能性があるでしょう。
福利厚生・待遇
福利厚生に関しても、総合職とエリア総合職で違いがあります。
もちろん企業によっても異なりますが、総合職は転勤があるので、住宅手当などの福利厚生が充実している傾向にあるのです。
また、総合職の方が研修制度が充実しているなど、待遇に違いが生じるケースもあります。
キャリアアップ
総合職の方がエリア総合職よりもキャリアアップしやすい傾向にあります。
総合職は、勤務地にとらわれずに幅広い業務を経験するので、評価が高くなりやすいのです。
なお、総合職の方が一般的にポジションが高めなので、昇級が頭打ちになる可能性があります。
総合職・エリア総合職・一般職を決める際のポイント
総合職・エリア総合職・一般職の違いについて解説しましたが、選びきれない方もいるでしょう。
企業によっても区別が異なるので、じっくり検討することが大切です。
総合職・エリア総合職・一般職を決める際のポイントをご紹介しますので、迷っている方は参考にしてみてください。
インターンシップに参加する
業務内容をイメージできない場合は、インターンシップに参加するのがおすすめです。
総合職と一般職いずれも参加すると、違いが分かりやすいです。
「インターンシップに参加して自分との相性が分かった」というケースもあります。
総合職と一般職の違いは企業によっても異なるので、複数のインターンシップに参加するのがおすすめです。
キャリアチェンジの可能性を確認する
総合職・エリア総合職・一般職の区別があるものの、キャリアチェンジが認められている企業もあります。
迷っている場合は、キャリアチェンジが可能となっている企業を選ぶのがおすすめです。
「総合職として勤務し、合わなかった場合に一般職へ変える」「一般職として入職し、慣れてきてから総合職に変える」などの働き方ができる可能性があります。
会社説明や従業員の方からの情報で、キャリアチェンジの可能性について確認しておくことをおすすめします。
譲れない条件を明確にする
総合職・エリア総合職・一般職で迷っている場合は、譲れない条件を明確にすることが大切です。
希望条件によって、最適な働き方が異なるのです。
「キャリア・やりがい重視で総合職を選択する」「転勤を避けたいので一般職を選ぶ」など、自分に合う働き方を選べます。
なお、やりがいのある仕事をバリバリこなしつつも、転勤を避けたい場合は、エリア総合職がおすすめです。
希望条件に応じ、最適な働き方を選びましょう。
総合職・一般職・地域総合職それぞれで求められることを知っておこう
総合職・一般職・地域総合職の区別のある職場で就職活動する場合、それぞれに求められることを把握しておくことが大切です。
企業側の期待を認識することで、アピールポイントが変わってくるでしょう。
総合職
総合職は、会社の中心として活躍してほしいという期待があります。
そのため、「モチベーションの高さ」「長期間働いてくれるかどうか」などを重視されます。
また、転勤や異動が発生するケースが多いので、柔軟に対応できるかもポイントとなるでしょう。
総合職として勤務したい場合は、仕事への熱意や将来のプランをアピールすることが大切です。
一般職
一般職では、総合職と比較すると責任ある仕事は少ないものの、会社を支える重要な役割として期待されます。
簿記や英語力、事務処理能力など、各業種で役立つスキルなどを持っていると、有利になりやすいでしょう。
転勤や異動はほとんど伴わないので勤務地を問われることは少ないですが、仕事への熱意は重要なポイントとなるでしょう。
地域総合職
地域総合職はエリアが限られているとはいえ、総合職と同様の仕事内容を求められます。
会社の中心として活躍してほしいという思いもあるので、「陰で支えたい」などの動悸は弱いと判断される可能性があります。
モチベーションの高さや責任感の強さをアピールしましょう。
また、エリア総合職として働きたい場合は、地域貢献したいという気持ちも重要になります。
まとめ
総合職と一般職は求められる業務内容が異なるケースが多いです。
総合職は勤務地など希望通りにならないケースもありますが、責任ある仕事をしたい方にとっては満足できるでしょう。
一方、一般職は異動・転勤がほとんどないことに加え、総合職のサポートとしての位置づけとなっていることが多いので、プライベート重視の方におすすめです。
エリア総合職は、エリアは限定されているものの、総合職と同じポジションとして働けるのが特徴です。
総合職・一般職・地域総合職の特徴を把握し、自分に合う働き方を選びましょう。